不妊治療はいつまで続けるべきか?

不妊治療もタイミング法や人工授精、体外受精、顕微授精などがありますが、特にタイミング法や人工授精などは、5年も10年も続けている人も少なくありません。
体外受精や顕微授精などを繰り返している人もいます。

しかし不妊治療を続ければ必ず妊娠できるという保証はありません。
そんな中いつまで不妊治療を行うべきなのか。そして不妊治療をやめる線引きをどこですればいいのか、どのように諦めるべきなのかなど考えてみましょう。

不妊治療をやめることについて

不妊治療を行っていると、特に女性は精神的なストレスが妊娠するまで続くと言われています。
つまり妊娠するまで、

「妊娠したい」
「妊娠しなければならない」
「まだ妊娠していない」
「妊娠できないのだろうか」

という気持がずっと続く傾向があると言われているのです。

また、不妊治療によっては毎月のように男性も精子を病院に提出することになります。
しだいに不妊治療は夫婦ともにストレスとなり、だんだん夫婦の性生活も子どもを作るためが中心になってしまい、義務感が強くなってしまうことも。

このようなことから、「もうそろそろ不妊治療から解放されたい」という気持ちと、「妊娠を諦めることなど絶対にできない」という矛盾した2つの思いに、苛まれることも多いと言われています。
助成金や医療費控除などは利用できるものの、自分で払う金額も決して安くはありません。金銭的にも相当無理をして頑張っていることも多いのです。

やめると決める前に休んでみよう

やめるとすぐに判断せずに、まず休憩してみませんか?
不妊治療を続けて行うと、そのストレスも相当なものです。

1年も頑張っていると費用的な面も、重くのしかかってくるはずです。ちょっとひと息ついてみるのもおすすめです。
例えば3カ月~半年のスパンでとにかく一休んでみるとストレスからも解放されて、やっぱりここまでにしようと諦めがつくこともあります。

休憩中に時間をかけて、夫婦でこれからの不妊治療について話し合ってみましょう。
例えばあともう一回だけやってあきらめるなど、夫婦なりの結論が出るのではないでしょうか。夫婦で決めることが一番大切です。
突然不妊治療生活を終わってしまうと、ぽっかり穴が開いてしまい後悔ばかりが残ってしまいます。

不妊治療にしんどくなったら、とにかく休憩時期をとって、不妊治療中にできなかった旅行やスポーツなど楽しいことをできるだけやってみましょう!
不妊治療への執着を絶つことができるチャンスかも知れません。このまま夫婦で楽しむのもいいかなと思えるかも可能性もあります。

夫婦間のすれ違い

最初は2人の子どもが欲しいという気持から、協力しあって不妊治療を行うわけですが、だんだんお金も大変になり精神的にもストレスがたまるようになると、だんだん夫婦間の中でも考え方がすれ違ってくることもあります。
特に男性の方が不妊治療の終了を、提案する傾向があると言われています。

しかし女性の方はここまで頑張ったから、もう少し頑張りたいという気持が強くなってしまうことが多いと言われています。
こんなすれ違った考え方から2人の関係が悪化してしまうこともあるのです。このようになってしまったらもともこもありません。
そこで最初から不妊治療をここまでで諦めるということを、決めておくことも大切かと思います。

本当に大切なことを忘れない

本当に大切なことは、2人の関係がベストであることです。楽しく明るい毎日を送ることができる家庭が基本です。
一生懸命2人がベビ待ちを中心に生活しているときは、つらい不妊治療も何とも思わないかも知れません。

しかし片方がベビ待ちの気持が薄れたときには、夫婦の関係がぎくしゃくすることも。
子どもがいてもいなくても、夫婦が仲良く愛し合っていることが、一番大切だということを忘れないようにしましょう。

不妊治療の成功率は20%であることを念頭に入れてく

不妊治療を行って最終的に妊娠する女性は約20%と言われています。
つまり80%は妊娠しません。この現実は忘れないようにしたいものです。

「あと一回不妊治療を行えば妊娠するかもしれない」という思いで、なかなか断ち切ることができないこともありますが、不妊治療をすることは「妊娠をするためであり、妊娠をあきらめるため」でもあるのです。

また、今まで費やした時間やお金が無駄になってしまうと考える人もいるかも知れません。

しかし2人で赤ちゃんのために忙しい中病院に行き、つらい治療に耐え、贅沢もせずにお金も費やしてきたはずです。
2人でこんなに頑張ったことこそ宝物と思うことが大切です。それより不妊治療を無理に続けることで、夫婦間が悪くなってしまうことの方が残念なことです。

思い切れない妻に夫の優しさが必要

やはり男性より女性の方が「ここまでやったのだから、もう一回、あと一回」という気持は強いはず。そこで大切になるのが男性の優しい言葉です。

女性に夫婦2人でもとても幸せだということ、夫婦2人で素敵な家庭を築きたいということを伝えてあげましょう。
女性は夫のその言葉によって、不妊治療を諦める勇気をもらえるはずです。

どうしても子どもが欲しいなら養子という選択肢も

どうしても子どもが欲しいということであれば、養子という選択肢もあります。
欧米では自分の子どもも養子も一緒に育てている人もたくさんいます。

血のつながりだけを重要視するのではなく、親子関係を重視した人生を選ぶことを、夫婦で考えてみてはいかがでしょう。

不妊治療を諦めた人のサポートはない

不妊治療を諦めた人は、長期間不妊治療を中心に生きてきた人も多いはずです。
いろいろな努力や我慢やストレスも、ただただ妊娠できるという可能性と期待と希望を持って進んできたはずです。

それを突然やめてしまうということで、精神的に不安定になることも当然かも知れません。
不妊治療のサポートはいろいろありますが、やめたときのサポートはないのが現状です。

また子どもを産みたい、育てたいという思いは人間の本能として当然のこと。
しかし不妊治療を諦めるということは、それもすべて断ち切るということになります。

そのため精神的に不安定になることもあるのです。
そんなときには、やっぱり夫しか救うことはできません。

夫婦2人で旅行をしたり、楽しいことをリードしてあげましょう。
また不妊治療を断念したストレスを解消するためにスポーツをしたり、好きなことを習ってみることも大切です。

不妊治療中は妊娠することに目的を置いているので、突然それがなくなることは女性にとってとても辛いこと。
そのため次の目的が見つかるまでは夫の支えがとても重要です。そして早く次の目的を見つけられるように見守ってあげることも大切です。