正しい基礎体温の測り方とグラフの付け方

排卵日を予測して妊娠の可能性を上げたい場合、自分の基礎体温の変化を知る必要があります。
また、妊娠に限らず月経など女性ホルモンの動きをチェックするために基礎体温を測ることもあります。

そこで知っておきたいのが基礎体温の正しい測り方。
ここではその基礎体温の正しい測り方とグラフの付け方を解説していきたいと思います。

基礎体温の測り方

基礎体温の測り方は普通の体温計の使い方とは違うので、まずは基本を覚えておくようにしましょう。

まず朝目が覚めたらそのまま動かずに布団の中で測ります。つまり体温計を取りに行くために布団から出て歩くなど一切してはいけないので常に枕元に置いておくと便利です。

また起きてすぐにトイレに行きたい人もちょっと我慢をして先に計測することが大切です。基礎体温はそれほど微妙な変化を捉える必要があるのです。

次に舌の裏側に入れて口を軽く閉じておきます。
体温計を指で支えて位置を固定しておきましょう。位置は舌の裏の奧に筋がありますが、その脇がベストです。

当然のことですが普通の体温計では測れない微妙な体温を測るので、基礎体温計を利用してくださいね。

発熱している時の対処法は?

風邪などで発熱するときもありますが、そんなときにはもちろん基礎体温も高くなります。その場合でもグラフにはきちんと基礎体温を付けておくことは大切です。

またそんな日には昼間に普通に体温を測ってみましょう。普通の体温も少し高めであれば、風邪などの体調によっての発熱だということがわかります。
排卵日の近くで風邪などの体温上昇が起こると、排卵日のためなのか発熱のためなのか分かりにくくなることも。

そんなときには、その月はあまり的確な排卵日が出ない可能性があるため諦めることもあります。

基礎体温計の種類

基礎体温計にも種類があるためここで紹介しておきます。
基礎体温計は大きく分けて

  • 測定時間5分の実測式タイプ
  • 予測式で測定時間が20~60秒のタイプ

があります。

基礎体温計は平衡温を測りますが、平衡温とは外気温の影響を受けにくい体内温度のことを言います。
平衡温を測るには口を閉じてから5分以上かかるため、実測タイプは平衡温の実測に極めて近いものを測ることができます。

また、予測式タイプはメーカーの技術と膨大なデータによって解析して、5分後の平衡温を予測演算するのもで、約20秒程度で実測に近いものが測れるという優れ物となっています。

口をできるだけ閉じて測るので、できるだけ短い時間で測れる方が、楽で便利という利用者の声が多いようです。
機能として普通に基礎体温が数字で出るものと、グラフなども付けてしまうという便利な高機能タイプのものもあります。

基礎体温表のグラフの記入の仕方

基礎体温表のグラフの記入の方法としては、折れ線グラフにしてとにかく毎日の基礎体温を付けるという簡単なものです。

あまり難しく考えずに、体温は0.01度の変化が分かるようなグラフを作るように心がけましょう。
この折れ線グラフの線の波形が基礎体温表の重要なポイントになります。

この波形によって排卵日や低温期、高温期、生理予定、妊娠の有無、女性ホルモンの分泌異常、婦人科系の病気などが分かります。
詳しくは「基礎体温の上がる下がるをチェックして排卵日のサインを知ろう」でも解説しています。

今はインターネットでも表グラフのサンプルはダウンロードできますし、自分で簡単に作ってもいいのではないでしょうか。体調、おりものの状態などもメモできる備考欄を作っておくと便利です。

標準的な基礎体温の上がり下がり

特にホルモン分泌の異常や妊娠などがない限り、標準的な基礎体温の上がり下がりがあります。これは基礎体温をグラフに付けるとはっきり見えてくるのでグラフを付けることが必要になるわけです。

まず生理が始まると急激に基礎体温が下がります。ちなみに低温期と高温期の温度差は、0.3~0.5度位内が正常と言われています。

微妙な上下の波はあるにしても大体は低体温状態を保ち、ある時一気に高くなる時が排卵期のお知らせです。
正確には排卵期の終わりの頃になりますが、このタイミングが妊娠の可能性としてはベストな瞬間と言えます。

その後ずっと高温期が続きますが、また生理が始まると一気に基礎体温は落ちていきます。高温期は大体10~14日続くのでそれ以上の場合は妊娠の可能性もあります。

基礎体温が乱れている場合病気の可能性も

基礎体温が正常な波形を表わしていない場合は、いろいろな病気の可能性も考えられます。ひどい場合はまったく低温期や高温期の違いがないこともあり、排卵自体ができていないことも。
生理不順などで妊娠しにくい状態になる場合も波形で分かると言われています。

このように波形が崩れている場合に考えられることは、黄体機能不全、無排卵月経、体力低下、排卵障害、子宮や卵巣の疾患など。
また子宮筋腫、子宮内膜症なども多く、他にも卵巣嚢腫、卵管炎、卵巣炎、卵巣嚢腫、子宮癌、卵巣癌などが考えられそうです。

子宮内膜症

子宮内膜症は本来子宮内にしかない子宮内膜が、卵巣や卵管などにできるという病気です。
子宮以外にできてしまっても生理のときには剥離しますが、それらの老廃物の排出がスムーズに行えず体内に溜まり、他の内臓などにこびり付いてしまって炎症を起こすというものです。

症状としては生理痛が増した感覚とも言われています。その上基礎体温の波形にも異常があれば産婦人科などで早めに診察してもらうようにしましょう。

無排卵周期症(無排卵月経)

無排卵周期医症、つまり無排卵月経も基礎体温の波形を崩す原因になります。
この場合基礎体温の波形は細かい上下はあるものの、高温期も低温期も差がないのが特徴です。

これは排卵がないということを示していますが、1カ月に2~3回と来る頻発月経や、月経周期が50日、60日などの希発月経の人も無排卵性周期の可能性があります。

毎回無排卵が起こることを持続無排卵周期症、たまに起こる場合を散発無排卵周期症、18歳になっても排卵が起こらない場合を原発性無月経というふうに3つのタイプがあります。

女性ホルモンを整えるためにビタミンE

基礎体温は女性ホルモンと深い関係を持つわけですが、この女性ホルモンの動きを正常に保つ働きをするのがビタミンEです。
またビタミンEには血行促進の効果もあるため基礎体温を上げる、つまり妊娠しやすい体をつくるためにも必要な栄養素なのです。

最近は胎児の先天性異常を防ぐために葉酸サプリを摂取する女性が多いですが、その葉酸サプリにはビタミンEも含まれているものもあるため、生理不順などにも効果あると言われています。