産後うつはいつまで続く?原因と症状について

産後うつという言葉を多くの方は聞いたことがあると思いますが、言葉どおり産後の女性に起こる鬱状態のことを言います。

さて誰でも起こる可能性があるこの「産後うつ」について、発症する時期や原因などを少しでも理解し予防していきたいものです。

産後うつの時期

産後うつの発症時期は出産後2~3週間目から発症することが多いと言われています。
しかしこれには個人差があり、その人のキャパがいっぱいになってしまたっときに発症するので、産後すぐに出る場合や産後4~5週間頃から発症することもあります。

また、多くの場合大体1ヶ月程度で治っていきますが、長い人は1年近く元に戻るまでかかる場合もあり、症状によってはずっと本当の鬱病になることもるため注意が必要です。

原因はホルモン変化の「ひずみ」

産後うつの原因の1つとして、出産によってホルモンの変化による「ひずみ」が原因となります。
妊娠をすると、女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つとも、その量はグーンと増えていきます。

しかし、出産するとホルモン分泌量を元に戻すためグーンと減量していきます。この状態に体が付いていけないということが一つの「ひずみ」です。

その上、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの優位が交互に起こることで、2つのホルモンのバランスを取っていた女性が、妊娠をすると黄体ホルモン優位がすっと出産まで続きます。
しかし出産によって、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが交互にバランスを取る状態に戻っていきます。

出産することで正常な状態に戻るわけですが、その変化の大きさが女性の心身にとってはとても大きな負担になります。

ホルモン量とホルモンバランスの「ひずみ」が自律神経を崩し、それが「産後うつ」の大きな原因となるのです。

神経系の調整には、妊娠中にも大切だと言われている葉酸サプリを出産してからも飲み続けましょう。自律神経の乱れを抑え心の安定効果が期待できます。

もう一つの原因は育児疲れと育児不安

出産するとすぐに、赤ちゃんの育児が始ります。
オムツ替え、おっぱい、異常に多い洗濯、主婦としての家事など、もう出産後の体を休める暇もなく、育児と家事が押し寄せてきます。
その上、赤ちゃんが泣き続けても何を伝えたいのか分かりません。ストレスは溜まる一方で、リラックスする時間もない状態。

また生後1~3ヶ月の頃には、夜中も関係なく数時間ごとにおっぱいを与えなければなりません。
ストレスよって育児に対しての自信もなくなり、不安でいっぱいになることも。自律神経の乱れと、これらのストレスが重なると急激に症状が悪化することもあります。
このように身心の疲れも産後うつ原因の1つなのです。

産後うつは気づくことから

一般の鬱病もそうですが、まず自分が気付くことが大切です。ほとんどの場合、自分が鬱になっていることに気づかずに悪化していきます。

自分が産後うつの傾向であると分かれば、対処を考えるため悪化の歯止めになるのです。
そこで下の産後うつの症状をチェックして、自分の「産後うつ」度を確かめてみましょう。

ここに挙げた症状はどれも「出産うつ」の初期症状です。
以下の内容で5つ以上当てはまったら注意状態と考えましょう。

  • イライラすることが多く、落ち着きがない
  • ネガティブな気持ちになり涙が出やすくなった
  • 好きなことをしたいと思わない
  • 不眠、眠気
  • 拒食や過食
  • 性欲がわかない
  • おしゃれに興味がなくなった、何を着ても気にならない
  • メイクする気が起こらない、美容院などにも行きたくない
  • 子どもが可愛く思えたり、思えなかったりする
  • 人間関係が面倒、人と会いたくなくなる
  • 頭痛や吐き気、胃痛
  • 便秘や下痢
  • 自分を責める、自分が嫌いになる
  • 心から楽しいと感じない、笑顔がなくなってきた

この中の症状に当てはまる項目が多ければ多いほど深い産後うつ状態になっているとも言えます。

そんなときにはSOSを夫に出して育児を分担してもらい、体を休めることを考えましょう。または医師に相談をしてもいいでしょう。
医師は薬物治療やカウンセリングなどを行ってくれます。「出産うつ」が強いときには、きちんと治療をすることも重要です。