産後になりやすいうつの治療方法や対策とは?

「産後うつ」になったときにはどのような治療法があるのでしょう。

まず自分が産後うつになっていると気づくこと。
そのためにも誰でも「産後うつ」は起こるものなのだということを知っておきましょう。

そして気持ちが重くなったり、笑顔が少なくなったら要注意状態だと考え、対処をすることも大切です。ここでは産後うつの治療について考えてみましょう。

産後うつの治療には2つのパターンがある

産後うつの主な原因と言われているのは

  • ホルモンの大きな変化に体がついて行けなくなり自律神経が乱れること
  • 育児疲労が重なって起こるもの

です。心が弱いことで起こるのではありません。

その治療には大きく分けて2つあると言われています。
1つは夫や親などの協力を得て、家事など自分の負担を減らすこと。ホルモンバランスの変化に体が慣れるまで家族の協力を得ることが1つです。

そしてもう一つは心療内科や精神科の受診することです。
近眼と仮性近視の関係のようなもので、放っておけば本当の鬱病になってしまいます。

まだ産後うつの範囲であるうちに治療を受けることで、それ以上症状が進まないようにすることができ、それが今後の赤ちゃんや家族のためにもなるのです。

夫に相談する

まず最初に行うことは夫に今の状況を伝え、これからどうしていくか相談することです。
夫にも少しの間仕事を休んでもらったり早帰りをしてもらうなど、できるだけ夫の協力を得ることで体を休ませてもらうようにしましょう。

また、両親や兄弟など家族にお願いできる環境であれば少しの間手伝ってもらうなど、ホルモンの変化に体が慣れて落着くまでお願いすることも重要です。

実は夫の言動がとても重要になることも。夫が妻に対する感謝の言葉や態度をしっかり伝えていると、産後うつになりにくいと言われています。
つまり育児のときに自分だけが頑張っているという、孤独感や責任の重圧が産後うつを促進させてしまうのです。

しかし、夫がいつも感謝の言葉や育児参加を積極的に行っていると、妻は孤独感がなくなり感謝されることで、大変な育児も生きがいになっていきます。

現実的な部分での育児を手伝うことはもちろん大切ですが、なにより夫の優しい言葉が一番の薬なのではないでしょうか。
イライラした妻の心を癒してあげられるのは理解のある夫の温かい一言なのです。

医師による治療

夫へのSOSと家族の協力があっても、なかなか改善できないときには心療内科や精神科での医師の治療が必要となります。

ホルモンの変化に心身がついていけない状態が大きな原因となる産後うつですが、ホルモン治療はほとんど効果が無いと言われています。

鬱症状が強く出ている場合に限り抗鬱剤が使われますが、授乳時期には副作用のことも考慮に入れるため、なるべく薬剤を使わない治療をすることが一般的です。

どうしても使用しなければ治療効果が出ない場合には、母乳に響かないタイプの薬剤を使用したり、授乳を一時的にストップすることも考えられます。
産後うつの症状によって、どちらを優先させるか医師と相談し決定されます。

また、軽度であればヨーロッパでは医療用としても使われているハーブ、セント・ジョンズ・ワートが使用されるケースもあり、科学的にもその効果は実証されています。
ただし、母乳に対する影響はまだ確実な安全性が解明されていないので、その辺は医師の判断になるようです。

カウンセリング

医師によるカウンセリングでは辛いことを医師に聞いてもらったり、さまざまな今の状況の相談を聞いてもらうことで心を軽くしてもらうことができます。

正しい指導

産後うつを改善するための正しい生活指導をしてくれます。

心身の疲労を取る、睡眠を十分とる、回りが温かく見守る、家事や育児の協力を回りが積極的にするなど、夫にも説明をしてもらうこともできるので、理解のない夫にはよい説明チャンスにもなるでしょう。

葉酸サプリの摂取をおすすめ

重要なのは産後うつにならない体質つくりを心掛けること。ストレス対策に効果の高い栄養を補うことで事前に産後うつ予防を意識しましょう。

産後でもおすすめは葉酸サプリです。
最近は妊娠中や妊活中に葉酸を摂取することは、厚生労働省からも推奨されていますが、病院では出産後も葉酸を勧めるところがほとんどです。

ホルモンの大きな変化が自律神経を崩し、精神に影響して鬱状態になるわけですが、葉酸は神経系に関与する成分でもあるため精神的な安定が期待できます。

また、葉酸サプリに配合されているビタミン類は子宮の回復促進効果もあるため体の負担も軽くしてくれます。なるべく薬を使いたくない時期だからこそ葉酸サプリの摂取も重要なことなのです。
そして造血作用が高いため葉酸は授乳時にも欠かせない成分でもあります。